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エンジンの冷却水を交換する方法

水冷エンジンの魅力

構造が複雑でどっしりた重量感があるものの、安定した走りを堪能できる水冷エンジンは人気があります。
何よりも冷却ファンがない分だけ外観がすっきりしているのが魅力です。
ハイパワーでぐんぐん走りたい人に、水冷エンジンはおすすめなのですが、きちんと冷却水の交換ができていないと、愛車の劣化を早まらせる事になります。

その実冷却水の交換は慣れないとなかなか面倒くさい作業です。
しかもエンジンオイルのように頻繁に交換するものではないため、つい頭から抜け落ちてしまがちになります。
もしかしたら冷却水に利用するのは真水でOKだと、思い違いをしている人もいるのではないでしょうか。

すぐに故障するという事はないのですが、所定の液体を使わなければ十分なエンジンの冷却ができないどころか、大変面倒な事にもなりかねませんので、せめて交換方法や冷却水に何を利用したらいいのかぐらいは、覚えておいた方が賢明です。

水冷エンジンの構造

水冷エンジンは空冷エンジンよりも複雑な構造をしていますので、パッとみただけではどこがどうなっているのか、素人には皆目検討がつきません。
パーツごとに解体してみると、おおまかに分けると2パーツになります。

冷却水が通過する通路が設置されているシリンダーと、冷却水がエンジン内を行き来するためのホースをつなげるシリンダーヘッドの2つです。
これらはウオーターポンプや冷却水タンクおよびラジエーターと接続されています。

冷却水の温度を計測するのがサーモスタッドです。
基本的にウオーターポンプから排出された冷却水はラジエーターを経て、再びウオーターポンプに戻ってきます。
何度も巡回しながらエンジンで発生した熱を冷却していきます。
空冷エンジンなら空冷ファンを作動させて冷却するのですが、水冷エンジンには空冷ファンがありません。

冷却にはクーラントを使用

冷却には真水ではなくロング・ライフ・クーラントという液体を使います。
頭文字をとってLLCもしくは単にクーラントと呼ばれているそれは、氷点下でも凍る事がなくエンジン内のさびや水カビを予防できる液体で、使うのは水で薄めたものです。

エンジン内を循環している間に汚れたオイルがまざったり、さびや水カビがとけ込んだりして、少しずつ劣化していきます。
通常はおおよそ2年から3年での交換です。

オイルのようにのきなみ真っ黒にはなりませんので、劣化の度合いがわからないのですが、グリーンや赤や青などの色素が若干黒ずんできたりします。
はっきりわかるものではないのでもっとも無難なのは、おおよその交換日を覚えておいて、交換する事です。

クーラント交換の準備

前もって準備しておくのは新鮮できれいなLLC、汚れたLLCはそのままむやみに捨てると環境汚染になりますので、廃油皿を必ず準備します。
ドレンボルトを外すための工具と、これだけは最低必要です。

クーラント交換の手順

ドレンボルトとラジエーターキャップをはずし、レザーバータンク内の冷却水を交換する作業になりますので、まずこれらの位置を確認しておきます。
車種によっても違いますから、メーカーなどに確認してみてください。

しっかり内部の汚れも落とした方が、クーラントも日持ちしますのでラジエーターキャップ内から水道水を放射して洗浄します。
汚水が透明になるまで洗浄したら30%から50%に薄めたLLCを注いでいくのですが、大事なのは空気抜きです。
車体を揺らしてみたり一度エンジンをかけてLLCを循環させたりして空気抜きをします。